今井出版から本を出された著者の方々にお話をうかがいました。
Q.本づくりのきっかけを教えてください。
66歳のときに出会った友人の一言、「そげなことも知らんかや」です。以来、歴史小説の執筆にはまってしまいました。
私は凝り性なので、一度はまると簡単には抜け出せません。これまで発刊したのは、1作目『国宝松江城秘話 誇り高きのぼせもん』、2作目『松江藩栄光への道 律義者と不昧さん』、ともに今井出版です。
3作目の今回は、数年前に訪ねた香港で出会ったガイドの、悲しそうな表情で呟いた「日本は国が一つでいいね」という一言がきっかけです。
本づくりは、自分の人生の記録であり、生きた証です。歴史小説の場合、先人より違った自分自身の主観を伝える手段でもありますね。
Q.本づくりをされてみて、いかがでしたか。
とくに嬉しいことは、苦しい推敲の過程で新たな史実に出会えた時ですね。踊り出したくなります。
また、執筆で気を配ることは、他の人が力点をもって主張していることはあえて避けるということです。
今井印刷での本づくりはおおむね満足ですが、初期段階における「厳しい」アドバイスがあるといいと思いました。例えば、ドラマの構成や流れ、力点の置き方などについてです。客観的な意見を取り入れることで、作品が変化し完成に向かっていくことは、人生そのものともいえます。

Q.もう1冊つくるとしたら、どんな本ですか?
私は、地域の小学生たちの登下校の見守り活動を17年間続けています。この活動をとおして感じた、喜怒哀楽などを綴ってみたいですね。歴史小説も考えてはいますが、3作も作りましたから、しばし休憩ですかね。

■山陰最後の殿様 定安と慶徳
山陰の偉人に光をあてた歴史小説。幕末維新、松江藩主定安と鳥取藩主慶徳の織りなす戦いと友情のドラマが400頁超の超大作で登場です。
●著:山口 信夫
●発行日:2021年6月
●仕様:四六判・408頁・上製本
●価格:2,200円(本体2,000円+税10%)
山口 信夫さん YAMAGUCHI Nobuo
島根県松江市在住。
演劇・声楽・柔道・絵画を愛好。