今井出版から本を出された著者の方々にお話をうかがいました。
本づくりのきっかけ
読書好きが高じて日本語が好きになり、日本語の表現の深さと多様性を改めて発見しました。その深さと多様性を駆使し、たった17音で詩をつくり出す、そんな俳句に魅了されてしまいました。
俳句を始めて20年、そして70歳になったのを機に、作ってきた句や絵を整理して自分の記念として残したい、私と親しくしていただいた方々にも読んでほしいと考え、本として残すことを決めました。
本づくりの感想
句集というと句の羅列になってしまい、馴染みのない方には単調で味気のないものになりがちなので、楽しく読んでもらうために挿絵を加えました。俳句の挿絵となれば俳画ということになりますが、私は身近に感じてほしくて水彩画、鉛筆画、写真などを取り入れ、絵の題材も風景、人物、静物、植物等々雑多な構成にしました。
読みづらい漢字にはふりがなをつけたり、言葉にも注釈を入れ、誰が読んでも楽しめるようにしています。
挿絵のレイアウトや大きさ、句と絵の取り合わせ方の他にも、書体や字の大きさなどにとても悩みましたが、度重なる変更に対応していただいたり的確なアドバイスをくださった今井印刷の方にはとても感謝しています。

この本について
「写真俳句」というジャンルがあるように、私はすでに描き上がっている絵から連想させた句もいくつかあり、先人の方々の句集とはだいぶイメージの違うものに仕上がっていると思います。
俳句の諸先輩からみれば拙句ばかりで恥ずかしい限りですが、日常の一コマを切り取って描写した句は私の好きな句ばかりなので、日頃俳句と縁のない人たちにも、気軽に手に取ってほしいと思っています。

■句集 ケセラセラ
平成17年から俳句を始めた作者が、自選の280句余を6つの章に分けて収録した集大成の一冊。水彩や色鉛筆など多彩なタッチで描かれた約30点のイラストも掲載。句とイラストが調和した作品集。
●著:足立 六歩
●発行日:2024年10月
●仕様:A5判・ 174頁・並製本
●価格:1,980円(本体1,800円+税10%)
足立 六歩 ADACHI Roppo
鳥取県米子市在住。
昭和50年代より独自で絵を始める。句会「遊々塾」事務局、鳥取県現代俳句協会副会長、鳥取県俳句協会理事。