今井出版から本を出された著者の方々にお話をうかがいました。
Q.本づくりのきっかけを教えてください。
小学生の頃から漫画を描くのが好きでした。小学6年の頃、手塚治虫の「ブッダ」を読んで、お寺に住んでいながら、以前より仏教に関心を持つようになりました。そして、いつか自分もこんな仏教の漫画本を作ってみたいと思うようになりました。
大人になって「真宗の生活観」の原作を読んだとき、ユーモアやドラマチックな場面、またとても深い話もあり、「これを漫画にしよう」と思ったことが本づくりのきっかけです。
Q.この本はどんな本ですか?
今年は親鸞聖人立教開宗800年の年でした。それに向けて、自分なりに聖人の立て開いた真宗の教えとは一体どんな教えだろうかと、自分自身学ぶつもりで漫画にしました。またいろんな人に聖人の教えや言葉に触れてもらえたら良いなあ、という思いを込めた本です。
主人公が田舎の生活の中で、一年間の月ごとの風物にそって、親鸞聖人のすすめた真宗の教えに触れていく物語になっています。

Q.大変だった・難しかった点はありますか?
できるだけ原作に忠実にしたいという思いがあったので、原作の雰囲気や文章を大事にしつつ、アレンジもして漫画化していく作業が大変でした。「この表現で良いだろうか」と、よく悩みました。
私は水墨画を習っていたので、表紙絵、背表紙はそれを生かしたかったのですが、なかなか思うようなものが出来なくて、試行錯誤しました。
Q.出版して良かったことはなんですか?
いろんな人から反響があったことが一番良かったです。「読み終えた後、不思議と心が穏やかになりました」「この描写が良かった」「何話が好きです」「表紙絵も良かった」と本当に多くの方からいろんなご意見や手紙をいただき、「出版して良かったなあ」と思いました。
また出版に向けて今井印刷の方が何度も家まで足を運んでくださり、どんな疑問質問にも懇切丁寧に答えてくださいました。
そうして入念に打合せをして、納得いく出版ができました。ありがとうございました。

■真宗の生活観
蓬茨祖運の著した『真宗の生活観』をもとにして、親鸞聖人のおことばをよりわかりやすく、親しみやすい全12話の漫画にした1冊。
●漫画:小早川 凡親
●原作:蓬茨祖運
●発行日:2023年9月
●仕様:A5判・ 178頁・並製本
●価格:1,650円(本体1,500円+税10%)
小早川 凡親 KOBAYAKAWA Bonshin
1980年鳥取県生まれ。日野郡日野町在住。
僧侶。養隆山 光徳寺住職。