著者の声

この本を残すことで、気持ちの整理が一つできました。
松沢智美さん

Imai Publishing Report
今井出版から本を出された著者の方々にお話をうかがいました。

Q.本づくりのきっかけを教えてください。

亡くなった父の言葉です。生前、入院先の病室で私たち家族に「自伝を書いてほしい」と言っていましたが、結局話を聴くことさえできませんでした。亡くなってから数年後に、私の中での父の存在を振り返る時間を持ったのですが、本を出すことが父からの「宿題」だと思い、原稿を書くことにしました。

Q.本づくりをされてみて、いかがでしたか。

今回挿絵を描いたのですが、これまで少し遠ざかっていた絵を、本づくりをきっかけにまた楽しく描けるようになりました。カラーで綺麗に印刷していただき、表紙の風合いもとても素敵になりました。
また、文章を作家の先生にみていただいたことも嬉しかったです。校正もしっかりしていただき、担当の方に背中を押してもらって楽しく作ることができました。
父の死をはじめ、いろいろなことが重なり、なかなか気持ちの整理ができなかったのですが、この一冊を残すことでまた一つ、整理をつけることができました。

Q.大変だった・難しかった点はありますか?

はじめは散文的にいろいろと思いついたことを書いていましたが、父の人生を一つの流れとして作り上げていくことが必要になりました。そういった作業はこれまで経験したことがなかったので難しかったですが、場面を辿るたびに、父のことを思い出しながら取り組みました。文章については、思い入れが強くなりすぎないように心がけました。

Q.もう1冊つくるとしたら、どんな本ですか?

絵を一つずつ入れた短編集……がいいかなと思います。

■山に還る 日野川源流物語

山と共に生き、仕事に誇りを持ち、地元の自然を愛した一人の男の生き方が、優しいイラストと共に綴られています。

●著:松沢 智美
●発行日:2021年7月
●仕様:四六判・46頁・並製本
●価格:非売品

松沢 智美さん MATSUZAWA Tomomi
鳥取県米子市在住。

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