著者の声

消えゆく「昆虫地名」を記録として残したい
築根照英さん

Imai Publishing Report
今井出版から本を出された著者の方々にお話をうかがいました。

本づくりのきっかけ

定年退職後、何か目標を持って生きていたいという思いから、昔から好きだった「昆虫」と「旅」に関わる本を出版できたらいいな、と考えていました。
 そんなときに、江尾駅で今井印刷が過去に制作した自費出版の本を見かけ、表紙デザインも装丁もいいなと思い、本づくりに踏み出しました。

本づくりの感想

1つの項目がきっちり1ページに入り切るように、文章量やレイアウトの調整を細かく行い、その度に何度も校正をしていただきましたが、校正を重ねるうちにどんどん良い本になっていくのが目に見えてわかり、期待が膨らみました。校正担当者の方には、本当に感謝しています。

この本について

あまり多くはありませんが、日本全国には昆虫の名前がつく地名が存在します。
しかし、「八」を「蜂」、「萱」を「蚊」とするなど、同じ音を持つ昆虫の名が当て字として使われていることが多く、地名の由来として昆虫が直接的に関係する場合は少ないことを知り、子供の頃から昆虫や旅が好きだったことも高じて、退職後のライフワークとして北海道から沖縄まで、約300ヶ所の「昆虫地名」へ出向きました。
そのときに取材して、調査した内容をこの本にまとめています。
昆虫マニアが昆虫標本をコレクションするのと同じようなものですが、消えゆく昆虫地名の記録として、少しでも誰かの役に立てば幸いです。
昆虫や地名に興味がある方はもちろん、旅好きの方にもぜひ読んでもらいたいです。

もう一冊つくるとしたら……

「昆虫地名」の続編として、植物の名前がつく地名をまとめた「麻地名」をつくってみたいです。地名の由来は大抵諸説ありますが、どの説が正しいのかを解明するより、ひとつひとつの説を丹念に記録しておくことに意味があると考えているので、同じ体裁で、地名シリーズを今後も展開していけたらいいなと思います。

■昆虫地名 ─当て字と伝説─

子どもの頃から昆虫好きで旅好きな著者が、退職後のライフワークとして、北海道から沖縄まで日本各地約300か所の昆虫の名前を冠した地名を訪問し、歴史や由来などを調査・取材したものをまとめた一冊。

●著:築根 照英
●発行日:2024年9月
●仕様:B5判・ 142頁・並製本
●価格:1,650円(本体1,500円+税10%)

築根 照英 TSUKUNE Teruhide
北海道夕張市生まれ、東京都在住。
千葉大学大学院園芸学研究科(応用昆虫学、修士課程)修了。
日本地名研究所会員、アグロ虫の会会員、グループ多摩虫会員。

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