INTERVIEW

「命を大切にしてほしい」――思いを伝える|島林 昌子さん

Imai Publishing Report
今井出版から本を出された著者の方々にお話をうかがいました。

Q. 本づくりのきっかけを教えてください。

私は学生の頃から、のら猫やのら犬の存在をかわいそうに思っていました。
米子市内のいろんな場所で「エサを与えないでください」等の看板や、のら猫にいたずらをする人を見かけます。
そういう姿を小さなお子様が目にすると、情操教育上適切でないと思い、絵本を通して猫ちゃん達の命を大切にしてほしいとの思いを伝えたかったのがきっかけです。

Q. この本はどんな本ですか?

実話をもとにした、命の大切さを伝える絵本です。
日本には幸いにも「のら猫にエサをやってはいけない」という法律も条例もありません。
でも、自分の敷地で排泄をされると誰だって嫌です。
苦情を言おうにも、のら猫には飼い主はいません。
だからといって、命を脅かし排泄の責任を取らせようとするのは人として間違っています。
のら猫にも当然、飼い猫と同じ尊い命がある事に気付いてほしいとの気持ちを込めた絵本です。

Q. この本の魅力は何ですか?

実話をもとにしていますが、その事実を淡々と文字にしたのでは情景をうまく読者に伝えることが出来ないなということに気付きました。
読者に伝える際、のら猫の母親と子猫の絆を描くためにはドラマチックな文章に組み替える必要がありました。
衰弱しきった子猫の気持ちになって描き、絵を見ることで小さなお子様にも内容を分かっていただき、優しい気持ちになっていただ けるのが魅力です。

Q. 本づくりをされてみていかがでしたか?

初めてのこともありとても大変でした。
絵本を作ろうと思いついたときは大変だとは思いませんでしたが、始めてみると思い描く絵をイメージ通りに描くことを、見た方がどのように受け取られるのかが心配でした。
しかし、今井出版のみなさんのアドバイスや励ましや、職場の人たちの応援もあり、出来上がったときはとても最高な気分でした。

■ぼく どうなるの?

子猫のトッキーを通じて、どんな小さな命でも大切にしなければいけないという作者の強い気持ちが伝わってくる。小さな命の大切さ、尊さに触れられる絵本。

●作・表紙絵:島林 舞果
●絵:島林 昌子
●発行日:2023年10月
●仕様:183㎜×206㎜・28頁・上製本
●価格:1,100円(本体1,000円+税10%)

島林 昌子 SHIMABAYASHI Masako
米子市在住。 兵庫県丹波市生まれ。 保育士・行政書士・アマチュア無線技士。

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