文芸書

『澤田家の人びと』

国際連盟脱退に反対したただ一人の外交官 澤田節蔵。そしてその妻・美代子。国際連合初代大使として加盟に努力した 弟・澤田廉三。妻の澤田美喜(孤児院エリザベス・サンダース・ホームの開設者)── 激動の時代を背景に活躍した四人の評伝。

日清戦争や日露戦争、第一次世界大戦へと歴史が流れはじめていた明治末期、外交官になった澤田節蔵。外交官の一線を退いたのちは外務大臣顧問あるいは内閣顧問となり、国際的な文化交流に努めました。
その妻・美代子は、日本に伝統的であった夫をささえて生きた人です。そして四歳ちがいの弟・澤田廉三は、外交官のち日本国連初代代表などを務めました。その妻・美喜は、四大財閥の一つ三菱本家、岩崎久弥の長女です。美喜はキリスト教の信仰に生き、敗戦後、孤児院エリザベス・サンダースホームを開設し、混血孤児問題にとりくみました。
澤田兄弟は外交官として内外の政治情勢にブレーキをかけようとし、動かされていきます。
本書は、それらの政治情勢、事件を背景にしながら、兄弟とその妻たちの行動を「なぞって」います。

■澤田家の人びと
著:高橋 亮
発行:編集工房 遊
発売:今井出版
発行日:2019年12月1日
ISBN:978-4-86611-182-7
判型:四六判
ページ数:334ページ

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